他社からのdwgデータを受け取った際、その会社のレイヤーに入っているオブジェクトを自社のレイヤーに入れなおすことで、自社の印刷スタイルを適用させられる。しかし、オブジェクトひとつひとつを自社レイヤーに入れなおすのは膨大な作業量となる。また、ブロックオブジェクトの場合はブロックエディタに潜り、その中のオブジェクトのレイヤーを変更する必要があるため尚更手間が大きい。
従って、「他社レイヤーを自社レイヤーへ変更する」ための機能を使う。
AutoCADには「画層標準を適用(LAYTRANS)」という、レイヤーの変換機能がある。
これを利用することで他社レイヤーを自社レイヤーに変換する。
また、その変換ルールをdwsファイルに記憶させることで、次回以降の変換作業は自動化できる。
例:他社レイヤー「kutai_a」 → 自社レイヤー「100_躯体_A」に変換したい場合
kutai_a → 100_躯体_A という変換ルール(マッピングという)を記憶しておけば次回以降もそのまま使えるということだ。
毎度手動で変換作業をするより遥に楽で、ミスも少なくなる。
使いこなせばとても合理的な機能だが、少しクセもあるので、ひとつひとつ理解していこう。
尚、他社のデータを受け取った時点でそのデータ上でレイヤー変換してから自分の作業用図面データに挿入した方がよい。
一度変換作業すれば理解できるが、、、
「LAYTRANS」実行中、「画層標準を適用」ウィンドウ内の、「適用前」内に、自社のレイヤーも入っていると邪魔なためである。
左側の「適用前」内には他社のレイヤーのみが表示され、右側の「適用後」内には自社の正規レイヤーのみが表示されている環境が最も作業しやすい。
つまり、自社レイヤーを持っていない、他社レイヤーのみを持っているデータで変換作業するのが好ましい。
①他社の図面データを開く
②他社のレイヤーを確認して、変換前のレイヤー(他社レイヤー)と、変換後のレイヤー(自社レイヤー)の対応表をメモする。
画層プロパティ管理を開く → レイヤーを全選択 → Ctrl+Cでコピー → エクセルに貼り付ける
このエクセルで変換表を作成しておく。
※このエクセル表はただのメモなので一言一句正確に記入する必要は無い。
※念のため名前をつけて保存しておく(例:「変換表_ooo_to_noir_日付」)
③変換作業を開始する。
コマンド「LAYTRANS」 → 「画層標準を適用」ウィンドウが表示
→ 左側の「適用前」内に、現在のレイヤー情報が表示される(他社・自社レイヤーが混在状態)
④正規のレイヤー情報を読み込む。
右側にある「ロード」をクリック → 自社の正規レイヤーがまとまったファイル(例:「レイヤー表_noir_oooooooo.dws」)を選択。
→ 右側の「適用後」内に自社の正規レイヤーが出現
⑤マッピングする。
作成した変換表を元に、適用前のレイヤーと適用後のレイヤーを選択、「マッピング」をクリックして下の表に追加していく。
※マッピングを追加する度に、左の「変換前」の項目からレイヤーが消えていく。
つまりここから他社レイヤーが消えるまでマッピングする。
⑥変換作業を中断するとき
一度「画層標準を適用」ウィンドウを閉じてレイヤーを確認したいとき等は、右下の「保存」をクリック → 「ooo_to_noir_2025oooo.dws」という名前で別名保存しておく(dws拡張子がおすすめ)。
※このファイルについて
このファイルは先ほど追加してきたマッピング情報を記憶している。
また、変換後のレイヤー情報のみを持っている。
⑦変換作業を再開するとき
再度、コマンド「LAYTRANS」 → 「画層標準を適用」ウィンドウ表示 →
このとき、ロードの仕方に注意!下記の順序でロードしなければならない。
1)先ほど保存しておいたdwsファイルをロード。→マッピング情報復帰。
↓
2)正規レイヤーファイルをロード。→右側の「適用後」内が復帰。
ここに注意!
一度「画層標準を適用」ウィンドウから出る際、「適用」を押してdwsファイルを保存した場合、再度「LAYTRANS」実行後は、先ほどマッピングしたものは表示されない。
何故なら先ほどマッピングしたレイヤーは既に変換済みだからだ。
マッピング情報自体が消えたわけではないので安心して。
⑧マッピングした内容で変換作業を実行する
マッピングが全て完了したら、右下の「適用」ボタンをクリックして変換を行う。
その際、「ooo_to_noir_2025oooo.dws」という名前で別名保存しておく(dws拡張子がおすすめ)。
※⑥の中断のとき、この方法で適用、保存しても問題ない。
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